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食肉で食育−安心で安全な日本の牛食文化に向けて 日本ドライエイジングビーフ普及協会会長
服部津貴子

「食育基本法」が平成17年に設立、施行されました。近年食についての関心が日に日に高まり、特に「食と生活」「食と習慣」といったように複合的な要素としての「食」がクローズアップされています。幼い頃から食についての知識を身につけていく環境づくりをし、国民全体が健全な心身を培い、豊かな人間性を育むため、食育を総合的かつ、計画的に推進することを目的としています。この法律の制定にあたって国は食の現状を以下のように示し、同時に食育の必要性を掲げています。

【1】「食」を大切にする心の欠如
【2】栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加
【3】肥満や生活習慣病の増加
【4】過度の痩身志向
【5】「食」の安全上の問題
【6】「食」の海外への依存
【7】地域の多様性と伝統ある食文化の喪失

そして食育とは、
【1】生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの
【2】様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること
として、国民の健全な食生活の実践。特に子どもの頃から生涯にわたる健康づくりの基礎と位置づけています。

さて、食肉は人にとって大切なタンパク源であり、健康で穏やかな生活を送るための多くの栄養素を含んでいますが、牛はもともと草食動物であり、自然環境の中では仔牛の頃は母牛の乳を飲み、その後牧草を食べて育ちます。草で育った牛肉の脂肪は融点が低いため、体内に留まることなく、また、血管の中にも付着せず、動脈硬化や心臓病に対するリスクを下げてくれます。

38年前に始まったアメリカの食育のスローガンは「食べたものが私自身、そして貴方自身です。私の健康は何を食べたかで決まります」となっています。食べたものがその人自身となっていきますので、「バランスの良い、安全な食べ物が大切なんだよ」ということを日本の食育でも教えています。私たちが食べている動物が何を食べているかで私たちの健康も決まります。

日本の食の現状の【1】に「食を大切にする心の欠如」とあり、現代の日本人はいつでもどこでも安易に食材を手に入れ、食事をすることができるため食に対する心と感謝の気持ちを忘れてしまっています。その点、ドライエイジングビーフは作り手の「長い経験」と「心遣い」で素晴らしく美味しいビーフを作り上げているといっても過言ではありません。

ドライエイジングビーフは今やアメリカにおいては大変有名になっていますが、より美味しいエイジングについては今後も日本の有志の方々が研究を重ねておりますので、大いに期待したいと思います。安全でバランスの良い食を選んで、それを実行することのできる人々がこれからの日本、そして世界を担っていくと言われていますが、まさにドライエイジングビーフは作り手の心が伝わる安心・安全な食材として選択するにふさわしい食材といえるでしょう。

学校法人服部学園 服部栄養料理研究会会長 
フランス及びスイスの料理学校に留学の後、服部流家元に就任。服部栄養料理研究会会長。服部栄養専門学校理事。学園の教壇に立つ傍ら、『食育ラボ』を始め「食育」活動に多岐に亘って携わる。『服部流家元料理聚成』(講談社)『きのこと食育』(日本特用林産振興会)『食べ物と友だちになろう』みんなが元気になるはじめての食育シリーズ1(全6巻・共著・岩崎書店)など著作も多数。TVでおなじみの幸應氏は兄。
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